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3シリーズのディーゼルは何がすごいのか?320iから320dにして感じたこと。

3シリーズには320iと320dがありますが、なぜ私はディーゼルエンジンの320dを選んだのか?320iとは何が違うのか?実際の使用感とともにお届けします。

ディーゼルエンジンのメリット

ちょっとクルマ雑誌を読んでみるとよく書いてあるのは、「ヨーロッパではディーゼルエンジンが主流」というものです。

最近でこそパリがディーゼルエンジン車の流入規制を検討しているなどの報道がありましたが、ケチな経済観念のしっかりしたヨーロッパの方々はちょっと昔はATではなくMTを選び、昨今はディーゼルエンジンを選ぶようです。

こうしてみると基準は「燃費がよい」ということのようですね。

確かに、ディーゼルエンジンは燃費がいいです。もう、これは間違いありません。

私が以前に乗っていた320iはオンボードコンピューター上で平均燃費は11.3km/l、現在の320dは14.0km/lです。

ディーラーの方に聞くと、一番よく聞くのは13km/lですかねー、とおっしゃっていたので平均してほぼそんなものかと思います。

ところで、ディーゼルエンジンに使用する燃料は軽油なのはもちろんご存知かと思いますが、軽油は日本ではガソリンよりも安いです。

ところがヨーロッパでは軽油は日本ほどガソリンに比べて相対的に安いわけではなく、むしろ高い国もあります。ではなぜ経済観念のしっかりしているヨーロッパの方たちがディーゼルエンジンを選ぶのか?

それはディーゼルのもう一つのメリット、低回転域で加速力が強いことです。

なぜそれがヨーロッパの人たちにとってそんなにメリットなのかというと、それは彼の地の交通事情にあります。

以前の記事で私が新婚旅行でドイツに行ってアウトバーンで走ったことを話しましたが、アウトバーンの速度規制は実に細かく、速度無制限区間から130km/h、100km/h、80km/hとバラエティに富んでます。

ここで減速の時はいいのですが、逆に速度制限が上がっていく際にみなさん一斉に加速するわけです(笑)。この時に、ディーゼルエンジンであれば回転を上げることなく加速していけるということが魅力的なんですね。

他にも、ディーゼルエンジンは高圧縮比による自然着火ですのでスパークプラグがない=故障する原因が少ない、またエンジンも高圧縮比に耐えるため頑丈にできており、ガソリンエンジンと比べて長持ちである、というメリットもあります。

あと一つ、個人的に隠れメリットとしてあげたいのが、軽油の特性ですね。これは安いとかではなく、軽油ってガソリンと違って揮発しないので爆発とかしないんです。あまり考えたくありませんが事故にあって燃料が漏れだした時にはガソリンよりは安心できます。軍用車にディーゼルエンジンが多いのはこういった理由もあるそうですよ。

ディーゼルエンジンのデメリット

デメリットは、もうこれが一番かと思います。あの、ガラガラという音、「騒音と振動が大きい」。
これは構造上仕方がないですね。先ほども申しげましたが、ディーゼルエンジンは高圧縮比で自然着火させるので、爆発による音と振動がガソリンエンジンに比べて大きいです。これは高効率であることの裏返しなのですが、どうしてもこれがダメという方もいます。

ご参考までに、最近のガソリンエンジンは直噴エンジンで、外で聞くとちょっとカラカラ音がして「ディーゼルエンジンみたい」という方がいますが、正直いってホンモノのディーゼルエンジンの音はそんなものではありません(笑)。

ただ、マツダのSKYACTIVE-Dのディーゼルエンジンはすごいですね。外で聞いてもちょっとうるさい直噴ガソリンエンジンくらいの音です。まあ、そのために圧縮比を下げて効率性が犠牲になっているわけですが。

あとは高圧縮比に耐えるために頑丈に作っているがゆえに大きく重いコストが高い=ガソリンエンジンよりも高価になるという点があげられます。

日常における使用感

以前にも申し上げましたが、私が320d(F31)の前に乗っていたのは320i(F30)です。

音と振動は私も購入前に一番気になってました。

購入記にも書きましたが、一言でいうと「スバルのボクサーエンジンみたいな音」です。外で聞くとガラガラとディーゼルエンジンであることを主張してますが、室内に入ると音も振動もさほどではないですね。むしろ、外で聞くと音が大きいのが幸いして、歩行者がよけてくれます(笑)。

ですが、中古で買おうとされている方は要注意です。ディーラーの方によると、2014年モデルから音と振動が劇的に減っているとのことですので、それ以前のモデルを買おうとされている方は実際に乗って、走って、ご自分の許容レベルなのかどうか、確認されたほうが無難です。

さらにいうと、その後2シリーズグランツアラーの218dに試乗する機会があったのですが、さらに音と振動の対策がされたようで、大げさではなく、全くディーゼルを感じさせませんでした。試乗後に降りて改めてエンブレムを確認したほどでした。エンジンの感触も私の320dよりもさらに滑らかになってました(泣)。

街中での加速力はスゴイです。アクセル一踏みで流れをリードできます。正直、常用域での加速は、320iとは段違いですね。320iでも十分早いのですが、320iがエンジンの回転でスマートに加速していくのに比べて320dは力技で加速してく感じです。

個人的には、同じ「20」をつけていると、運転者自身が320iと同じくらいの加速感だと誤解するので、5シリーズのように323dとかにしたほうがいいんじゃないかと思うほどの加速をします。

高速道路でももちろん、合流の際の加速など結構強烈です。1500-2700回転くらいまでは背中を巨大な手で押されるような感覚があります。

ただ、よく「アクセルを踏んだ瞬間からすごいトルク」と言うインプレッションを見ますが、個人的にこれはちょっと違うと思っています。

車庫入れなどで使用するような極低回転域では320iの方が扱いやすいんです。

これはカタログなどでトルクカーブを見ていただけるとわかると思いますが、アイドリング回転域では320iの方がトルクがあります。320dでは320iよりも低いトルクから始まって急速に上昇して320iを追い越すというトルクカーブになっております。

つまり、320dは低回転域では結構ピーキーなんですね。これはコインパーキングで段差を越える時などに違いが出ます。320iはアイドリングのみでも越えられますが、320dではちょっと踏まないと越えられませんし、踏みすぎると勢いよく越えていきすぎます(汗)。

で、一番気になる燃費です。もうメリットのところで書いてしまいましたが、今までの総平均で14.0km/h。都心部で渋滞を含む走行パターンでも10km/lを切ることはめったになく、高速道路のみだと、瞬間燃費計が30km/lという驚異的な燃費を示したりもします。

ここで、総平均燃費を元に1か月にかかる燃料代を320iと比べてみましょう。
1か月に800km走行するとして、ガソリン価格を約119円(ハイオクの全国平均)、軽油価格を同様に91円とします。

320i
800km÷11.3km/l=約70l
70l×119円=8,330円

320d
800km÷14.0km/l=約57l
57l×91円=5,187円

1か月で約3,000円ほどの差ですね。ただ、320iと320dの価格差は同一グレードで20万円ほどあります。これを考えると

20万円÷3,000円=約67か月

つまり5年7か月以上あるいは53,600km以上走れば価格差を取り戻せる計算です。

そして私はというと、320iに乗っていた時はハイオクが170円/lくらいしていた時期でした。

320dに買い替えて後、原油価格が下がって今は軽油を80円/lくらいで入れているので、月の燃料代が半額以下(笑)。残量が燃料計で目盛り一つを切ったあたりから満タンにしても4,000円くらいで笑いが止まりません。給油の頻度も明らかに減ってます。

終わりに

いかかでしたでしょうか?BMWを新車でも中古でもご購入を検討する際に320iにするか320dにするか迷う方は多いと思いますが、そういった方のご参考になれば幸いです。

※2016/5/7追記:購入後約1年を機にBMW純正のディーゼル燃料添加剤を入れた際の印象を記事にしております。ご参考までにご覧ください。

BMW純正燃料添加剤の効果

BMWのディーゼルの音が静かになり燃費も向上。純正ディーゼル燃料添加剤の効果検証報告

ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。
ではまた次回の記事でお会いしましょう。

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