BMWでは7シリーズに続き5シリーズのフルモデルチェンジが控え、スパイフォトが出回っていますね。一足先に中核モデルのS/E/Cクラスのモデルチェンジを終えたメルセデスのデザインと合わせ、考えた事があります。
メルセデス中核モデルのデザイン
Sクラスに始まり、Cクラス・Eクラスと続いたメルセデスの中核モデルは、ご存知の通り遠くからのパッと見ではどのもでるかわからないほどよく似通っていますよね。
これはSクラス。
次に発表されたCクラス。
これはクーペ顔ではなく、日本でも限定発売されたエレガンス顔ですね。
そして最後に発表されたEクラス。
Eクラスだけはボディサイドのプレスラインがドアノブに沿って真っすぐ地面と平行に走っています。SとCは後ろ下がり。個人的にはEの方が好きですね。
このように顔が同じなら、後ろ姿もすべて同じなのはご存知の通りです。
このように上から下まで同じ顔なのって、「最善か無か」を標榜していた頃(現在もこのスローガンは復活していますが)のメルセデス以来です。
そのころのメルセデス。順にW201の190E、W124のE500、W126のSクラスです。
みーんな同じ顔ですよね。メルセデスの当時のデザイナーはブルーノ・サッコですね。
我らがBMWはというと。
まずは新型のG11型7シリーズをご覧ください。
この横から見てスッと伸びた感じながら遠目にはサイズを感じさせないデザイン、私は好きです。
ところで、私が好きな7シリーズのデザインをもうひとつ。
E38ですね。これも前後にスッと伸びています。
また、BMWは、特に3シリーズに注目すると、E90からF30にかけて一番変わったのがノーズだと思っています。
E90ではキドニーグリルが寝ていますよね?でもF30では立っています。他にもF12の6シリーズのノーズで特に顕著で、F30でもスポーツやM Sportのグリルの桟をみるとよくわかりますが、最近のBMWはサメの鼻先のような「逆スラントノーズ」に戻っていっているんですよね。「戻っていっている」というのはこの頃に、です。
一番わかりやすいのを持ってきました。名車、E24型6シリーズですね。
新型のG30型5シリーズでも、ネットで出回っているスパイフォトを見る感じでは、G11型7シリーズ路線で「スッとした感じ」のような印象を受けます。とはいえ、詳細はカモフラージュでよくわかりませんが。
最近のデザインは「原点回帰」?
こうしてみると、メルセデスもBMWも先祖返りしているような気がするんですよね。デザインの世界はまったく詳しくありませんが、一時期のメルセデスのデザインの迷走っぷり(ペーター・ファイファーの時代ですね)とBMWのデザインの突き抜けっぷり(クリス・バングルの時代です)からは脱却して、見る人によっては平凡な、しかし見る人によっては若干懐古主義的なモチーフを用いながらも現代的なデザインを持ち込み、ブランドの再構築を狙っているのではないでしょうか?
ちなみに、私の好きなデザイナーは、カロッツェリアとしてはフェラーリで数々の名デザインを生み出したピニンファリーナ、個人としてはアルファロメオで活躍し、現在はVWグループ全体のデザインを統括しているワルター・デ・シルヴァが好きですね。
今回は、デザインのデの字も知らないどころか絵心すらまったくないくせにデザインを語ってしまいました。プロダクトデザインをご存知の方にはお目汚しかも知れませんが、一市民の単純な感想ということでご容赦ください。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。