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BMWのプラグイン・ハイブリッドの最高峰、740eに試乗してきました!〜Toto BMW高速試乗会2

前回記事の523d高速試乗に引き続き、740eの高速試乗をしてまいりました。BMWのフラッグシップたるラグジュアリーセダンにふさわしい、鷹揚ながらスポーティという相反する要素を見事に高次元で調和させた素晴らしいクルマでした。

523d試乗から帰ってくると。

523d M Sportの試乗を終えて満足してToto BMWの所沢ボディショップに戻ってきてニヤニヤと新型5シリーズを眺めていたところ、セールスさんが私に近寄ってきて、こう囁いてくださいました。

「pontaさん、もしお時間あればまだクルマが空いているのでご試乗、いかがですか?」

えっ!本当に?!いいんですか?!と言いつつ、お誘いに乗る気満々です(笑)。スケジュール表を見せていただくと、740e-M2の順で試乗すると待ち時間なく連続で乗れます。

「えっと、じ、じゃあまずは740eで次M2いいですか?」

まずはじゃないよっ!と自分で激しく突っ込んでしまいました。心の中でですけど。この時に私の顔、ものすごく笑みくずれていたと思います。知り合いがいなくてよかったです。

このお願いも快諾していただきまして、まずは740eに試乗させていただけることになりました。

試乗車は740e iPerformance(デザイン・ピュア・エクセレンス)

試乗者は超豪華装備のクルマでした。デザイン・ピュア・エクセレンスという、超高額なオプション装備です。なんかホイールがキラキラしてるなーと思ったんですよね。詳細な装備内容はBMWのHPをご覧ください。

7シリーズ:装備

息子も「このホイールがかっこいい!」と言ってしげしげと見ています。恒例のタイヤチェックを兼ねてパチリ。

なんと20インチホイールです。そして・・・ゴージャスな外見に似合わず、タイヤ銘柄はピレリP ZERO。例えフラッグシップでも、例え豪華装備バージョンでもスポーティさを忘れないところがBMWらしいですね。

その豪華装備の一端をお見せしましょう。まずはアルカンタラのルーフライニング。

恐る恐る撫でて見ましたが、手触り抜群です。

そして、象嵌細工入りのウッドパネル。

Bowers & Wilkinsのダイヤモンド・サラウンドシステム。

インパネも豪華にシルバーで加飾されています。

正にエクスクルーシブな雰囲気です。

そして、試乗が夜であったら!と思ったのが・・・

そう、BMW Laserlight装備だったんです。70km/h以上で走行すると、最長で600mまで先を照らすという、加齢によって視力が衰えている私にとっては夢のような装備ですね。

さて、一通り周囲を見て回った後で運転席に乗り込みます。

こうして写真で見るとよくわかりませんが、とにかくシートがゆったりしているんですよ。M Sportじゃないからサイド・サポートがないとか、そういう理由ではありません。シート自体が大きいんです。ここに座るだけでにわかリッチな気分になれました。

さて出発!乗り心地に驚愕。

ポジション合わせも容易に決まりまして、早速スタートボタンをプッシュ!

ぶるん。

あれ?いきなりエンジンがかかりました。なんで?と思ってメーターパネルの右端を見て見ると・・・なんとバッテリー容量ゼロ!ということは、私に課された使命は「高速試乗がてら充電する」ということですね。わかります。って勝手に決めてますが(笑)。

室内は静粛そのもの。ですが、エンジンの息吹は伝わってきます。そして、視界に広がるボンネットが広い!出発しようと軽いハンドルを切っていくと、その巨大なノーズが横に並行移動して向きを変えていきます。

もう、これは未知の世界です。私、実は7シリーズの試乗はこれで2回目ですが、前に試乗したのは何年も前ですので実質的に初体験と言っていいでしょう。

それにしても・・・これは波の穏やかな大海をゆく巨大空母のような乗り心地ですね。空母に乗ったことはないですけど。これがホンモノの「フラットな乗り心地」というのでしょう。一切のショックは排除され、足元が20インチホイールなんていう巨大なホイールとピレリP ZEROランフラットで武装しているなんて思いもよらない滑らかさです。

そして、実はすこーしだけ懸念していた2L直列4気筒エンジンですが・・・なんの不足もありませんね。250ps以上ありますので、CLARプラットフォームにカーボン・コアも駆使して軽量化された7シリーズには十分以上です。排気音も抑えられていますが、窓を開けるとフラッグシップセダンとは思えないほど戦闘的な音がしていますので、嫌が応にも気持ちが高まります。

ただし。

7シリーズに高級感というか、エンジンに徹頭徹尾滑らかさを求める方にはちょっと不満を感じるところがあるかもしれません。エンジン音をあえてある程度透過させる設定になっているのはBMWファミリーの共通点ですが、7シリーズも例外ではありません。そして聞こえてくるのは、4気筒のビート。排気音はスポーティですが、高級車らしい「シュイーン」という音では決してありません。私は全く気になりませんでしたが、もしかしたら気になる方がいらっしゃるかも知れません。

そうそう、新型5シリーズの時は申し上げ忘れてしまいましたが、この7シリーズにもブレーキ・ホールド機能がついています。これは私が渇望していたものです。

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ちゃんと信号待ちの先頭でもホールドします。当たり前ですが。これは一般道で威力を発揮しますね。ペダルにずっと足を置いておかなくていいのは本当に楽です。

高速巡航で充電!乗り心地もチェック。

スムーズに関越道にたどり着き、早速充電開始です。

まずはシフトレバーを左に倒してマニュアルモードに。そのままですと7速での走行になってしまい燃費が悪くなるので、シフトレバーを手前に引いて8速に入れます。できるだけ実態に即した使い方をしてみようかと思ったんです。

そして、もちろん7シリーズでもステアリングアシストはONです。

まだ出発前の停止している時に撮ったので両側のラインが緑色になっていませんが、このままずっと走っていきました。7シリーズのステアリングアシストは新型5シリーズと違って、前車追従型のステアリングアシストですので、直進性には影響ありませんが、この助けがなくても安定感・直進性ともに抜群です。外乱にも進路は乱されませんしね。

そして右側のメーター、タコメーターではありません。もちろん、ここの表示は切り替えられるのですが、モーターの使用状況がわかるようにこのままで走行しました。バッテリーに充電している時は「CHARGE」のゾーンに針が入り、フル加速の時は右下の「eBOOST」のゾーンに針が入るそうです。ただ、バッテリーにある程度の電力があれば、加速時は大抵モーターアシストが働いている、というのが同乗していただいたセールスさんの弁でした。

530eもこのようなメーターになるのでしょうね。

とりあえず充電はこれでしばらく走行するとして、先ほど523d M Sportと同じルート、しかもできるだけ同じ車線を走っていたのですが・・・まるで違います。

よく、「5シリーズは7シリーズの縮小版」と言われますが、私は今回に限っては全くそうは思いませんでした。M Sportと非M Sportという違いもあるのでしょうが。これはもう「異次元」です。

「本当に同じ道を走っているのか?!」と思うくらい、路面からのショックが一切伝わってきません。ボディは徹頭徹尾フラットに保たれ、正に大海原をいく巨大空母のよう。空母に乗ったことはありませんが(しつこい)。

ただ、やはり大径のP ZEROを履いているだけあって、少しロードノイズが侵入してくるのがフラッグシップらしくないといえばらしくないでしょう。これはタイヤをもう少しコンフォート寄りのタイヤにしてあげればだいぶよくなるでしょうね。

しばらくしたら、後席アームレスト内に仕込まれたタブレットを外していじくり回していた息子がこう言ってきました。

「ねえ、ライトの色何がいい?」

アンビエント・ライトのことですね。「何色があるの?」と聞くと、「えーっと、青でしょ、薄い青でしょ、エメラルドでしょ、(以下略)」と延々と言い出しました(笑)。キリがないので、ここはやっぱりオレンジするに限ると思い、「やっぱりオレンジがいいな。」というと、「僕はエメラルドがいいと思うよ。」じゃあ聞くなよ(笑)。

ですが明るいのでアンビエントライトの色が変わってもわかりません(笑)。

そしてそれに飽きた息子は、今度は「テレビが見たい」と言い出しました。そう、デザイン・ピュア・エクセレンスにはリア・エンターテインメント・システムが装備されているので、モニターが付いているんですよね。ですが中々テレビがつきません。セールスのお兄さんが四苦八苦しているのですが、やはり後席に行かなければいけないようですので、折り返しの川越ICを降りてUターンして戻ってくる時に目についた駐車場をお借りして一旦停止し、後席モニターでの設定を試みました・・・が、どうしてもつきませんでした(泣)。ここは息子には我慢してもらって、帰路に向かいます。

この時にテレビをつけっぱなしにしたまま走り出したのですが、走行すると画面はもちろん消えますが音声は流れ続けますよね。そこで例のB&Wのサウンドシステムの音が素晴らしくいいのに気づきました。私はオーディオのことはよくわかりませんが、きっと高音の抜けが良いので聞こえやすいですし、非常にクリアです。もし今このクルマが我が家に来たとしたら、テレビの一番良い視聴環境は間違いなくこのクルマの中になるでしょう。

さて、相変わらず粛々と歩を進める740eですが、折り返しの駐車場で、航続距離4kmと表示されるくらいまでは充電されていました。うーん、こんなものですかね。もう少し充電スピードが早いといいのですが。ですがこの程度でも駐車場から出る時はもちろんEVモード。これはめちゃくちゃ違和感あります。もちろんネガティブな意味ではありません。だってこの巨大なマスを感じさせるボディが音もなく走り出すんですよ?330eの時にもこの感触を味わって、文字通り鳥肌が立ちましたが、7シリーズではさらに鳥肌が立ちます。

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帰路の高速道路に合流する時にはモーターアシストが加わり、強烈な加速。「740e」と名付けた所以がわかる、怒涛の加速です。本当にちょっとでもバッテリーがたまると積極的にモーターが介入します。もしそれが鬱陶しいといいう方は、「SAVE BATTERY」モードにしておけば、ここまで頻繁に介入しないそうです。

帰りの一般道で、少しだけ、7シリーズ特有の「アダプティブ・モード」を試して見ました。これは、カメラで路面を読んで瞬間的に減衰力を自動で調整するシステムで、一種のセミ・アクティブ・サスですね。メルセデスで言うところの「マジック・ボディ・コントロール」に相当するものです。メルセデスのように、コーナーで内側にボディを傾けましませんが。

結果からいうと、一般道で速度が下がっていたので結局のところCOMFORTと同じで、違いはありませんでした。こんなことなら高速道路で試しておけばよかったと後悔しています。

まとめ

素晴らしい試乗体験を終えてToto BMWさんの所沢ボディショップに戻って来ましたが、興奮冷めやりません。息子もだいぶ気に入ったようで、「電気自動車はやっぱりいいね!」とご満悦です。i3大好きだもんね。これもまあ・・・似たようなものか(笑)。

息子が気に入ったポイントは、走行中に内側だけオープンにしていたサンルーフにもあったようです。確かに、このようにして光を取り入れていると、元々ベージュで華やいでいる室内がさらに明るくなります。

久しぶりの7シリーズ、やはり別格でした。繰り返しになりますが、正直申し上げて5シリーズとは比べものになりません。カーボン・コアの技術が使われているのも7シリーズのみということからもそれはわかると思います。快適性と運動性能をここまで高次元でまとめるとなると、相当なコストがかかっているに違いありません。最高のものを求める方は必ず満足されるでしょう。

ただし、先に申し上げましたように、エンジンの4気筒らしいビートが気になるという方は、740iか、いっそのこと760iにされた方が無難だと思います。

そして、よくクルマ雑誌で言われている、「走行中は一回りボディが小さいクルマに感じる」というのも、よく理解できました。近くで見ると相当なボリューム感なのに、ステアリングへの追従性が非常に良くて、大きなマスを感じさせませんでした。むしろ軽快感すら感じられたのは驚異的です。CLAR+カーボン・コアで軽量化したBMWの努力は完全に実を結んでいますね。これを感じられるのは7シリーズだけの特権です。

さて、いかがでしたでしょうか?さすが7シリーズ!という当たり前のことを体感して確認できて、「さすが」がどのくらい「さすが」なのか、よくわかりました。

興奮冷めやらぬ私を次に待っていたのは・・・さらに興奮を高めるクルマ、M2です。が、長くなりましたのでM2高速試乗記は次回に譲りたいと思います。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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