現在はスタッドレスを履いていて、交換時期が来ているサマータイヤの次の銘柄まで心に決めている私ですが・・・サマータイヤを選ぶ過程でも申し上げたように、またムラムラとかつての「タイヤおたく」ぶりが蘇って来ました。といっても、全然詳しくはないんですが。そして、サマータイヤ選択の段階からちらほらと目についていたのが「4シーズンタイヤ」の話題です。
一番目につくのは。
グッドイヤーのVector 4Seasons Hybridですね。
もちろん、他にもピレリ “Scorpion Verde All Season”をはじめとして、当然のようにタイヤ各社から出ています。現に、「4シーズンタイヤ」とか「オールシーズンタイヤ」で検索すると、それはそれはたくさんのタイヤがヒットします。
ですが、従来「オールシーズンタイヤ」と呼ばれていたのは、「M+S(マッドアンドスノー)」、つまり泥濘路とちょっとした雪に対応している、というのが大体のものですね。もちろん、これではチェーン・冬用タイヤ規制がかかった雪道は走れません。
ですが、グッドイヤーのVector 4Seasons Hybridは、このチェーン規制下でも走れます。だからあえて昔ながらの「オールシーズン」ではなく「4シーズン」として差別化したのかもしれませんね。まあ、チェーン・冬用タイヤ規制下でも走れるオールシーズンタイヤはこのタイヤだけではなく、ピレリのも可能ですが、グッドイヤーの方は最近「Hybrid」へ進化したので盛んにプロモーション活動をしているのでよく目につく、というわけです。
コンセプトは素晴らしい!
タイヤの出来云々はともかくとして、まずは通年、どんな路面でも一つのタイヤでこなせるようにするという、従来の概念を打ち破る発想はすごいと思います。こんなの、むかーしむかしのスパイクタイヤの頃なんかでしたら絶対に思いつきませんよ。
あ、念のためですが、私はスパイクタイヤのクルマを運転したことはありません。私が運転できるような歳になった頃にはとうに規制されていました(といって少しでも若く見せようとする悪あがきです。)。
ただ、以前も申し上げた通り、子供の頃青森に住んでいたことがあるので、スパイクタイヤを履いたクルマに乗ったことはあります。走り出すと途端に「グオーン」という音がして、いかにも「鋲が路面に食いついて削っている」感がありました。
あ、4シーズンタイヤの話でしたね。
さて、スパイクタイヤが規制されてからというもの、スタッドレスは年々進化を遂げ、最近のスタッドレスタイヤは雪道でのグリップは既にかつてのスパイクタイヤを超えたとも言われています。じゃあそのタイヤにスパイク埋め込めば凍結路面でも最強なんじゃないの?なんて思ってしまうのですが、そうするとまた粉塵公害が発生するのでダメですよね。
ですが、4シーズンタイヤが実用性を持って出て来た背景にはこうしたスタッドレスタイヤの技術の進化を抜きには考えられないと思っています。現に昨今のスタッドレスタイヤはスパイクタイヤ以上のグリップを雪道では発揮しつつ、ドライ路面での走行性能も高まっていますから。
そこでようやくチェーン・冬用タイヤ規制でも走れる4シーズンタイヤというものが技術的に可能となったと思うのですが・・・これは素晴らしいですよね。
だって、やれスタッドレスだやれサマータイヤに履き替えだってやらなくていいんですよ?雪が降ってもそのままのタイヤで走れるんですよ?タイヤの保管場所に困る人が多い現状では、この問題も含めて解決する4シーズンタイヤ、もっと注目されていいと思います。
でも実際はどうなんでしょうね?
実は、先ほども申し上げたように、ネット上の記事を、次期サマータイヤ選択の過程で散々読んで来ました。そして昨日改めてCGを読んでみると、早速長期テスト車で試していました。FFのアウディA4に履かせているんですよね。そして、同じ行程を、ブリジストンの最強スタッドレス、ブリザックVRXを履いたマツダ・ロードスターと走っていてレポートしています。もちろん、ドライ路面あり、高速道路あり、雪道ありの行程です。
詳細はCGの中身に譲りますが、結論だけ言うと「餅は餅屋」なんですね。
これはVector 4Seasons Hybridの数あるインプレが異口同音に言っていることなのですが、さすがにスタッドレスと同様の雪道性能は発揮できないようです。高速道路ではしっかりはしているものの、やはりスタッドレスのようなロードノイズが大きいとも。
そして逆にブリザックの方は、ドライ路面ではちょっと頼りない、と言うことです。ミシュランX-ICEの方が格段にしっかりしていると言うことでしたが、ちょうど私が履いているスタッドレスですので嬉しくなりました。と言っても当ブログの読者様にお譲りいただいたものなのですが。
じゃあ・・・X-ICEで通年過ごすのはあり?
当然、そう考えますよね。ですがこれは私が身を張って実験するまでもなく、どうやらCGのWeb媒体であるWebCG上でやるようです。
とりあえずはこの第20回と第21回をお読みください。今後もちょくちょく話題として出てくるのかどうか定かではありませんが、これは一つの考え方としてありだと思います。
ちなみにこの連載を書いていらっしゃる清水草一さんは、フェラーリに関する話題で有名ですが、首都高速評論家としての顔もお持ちで、乗り物ニュースの中で、高速道路の渋滞解消策などについて鋭い提言を行ってらっしゃいまして、個人的には非常に注目している方です。
ただ、X-ICEは、私個人の印象では、ドライ路面は確かに強いですが、これまた「餅は餅屋」で、以前サマータイヤで履いていたポテンザS001と同等のドライグリップを発揮するかと言うともちろんそんなことはありません。それどころか、やはり大きく劣ります。
こんなことがありました。私は幹線道路から交差する別の幹線道路へ左折すべく、横断歩道を歩行者が渡り終えるのを待っていました。歩行者が全員完全に渡り終え、さて加速しようかとちょっとラフにアクセルを煽りました。すると・・・
キャキャキャキャ!
内輪がホイールスピンして派手なスキール音を撒き散らしてしまいました。恥ずかしいったらありゃしません(汗)。
まあ、ラフなアクセル操作をした私がいけないのですが、やはりスタッドレスはスタッドレスです。X-ICEは確かにドライ路面での応答性やコントロール性は素晴らしいですが、それとて「スタッドレスとしては」と言う枕詞を忘れてはいけないんですよね。
そう考えると、灼熱の路面となる猛暑日には一体どうなるのでしょう?タイヤの磨耗も進みそうですし、ちょっと通年というのは現実的ではない気がします。
4シーズンタイヤの今後の進化に非常に期待しています。
ようやく実用レベルで4シーズンタイヤが出て来たんです。これはコンセプト的には理想的なものだと思いますし、特に雪など降らない都市部に住んでいる私のようなドライバーにとっては、タイヤに多くを求めないのであれば、さらに履き替える手間やたまに降る雪に対する備えが手軽にできることを考えれば、既に現状でも十分満足できるレベルかと思います。
今の所は「コスト重視」が一番のようで、サイズ的にも小径タイヤが多いので、ベーシックカーでチョイ乗りが多い方には有力な選択肢となり得ますが、全ての車に普及するかというと、まだまだ感はありますよね。
ですが、願わくば今後もタイヤメーカー各社は高い志を持って開発を継続していただきたいと思います。そして同じ4シーズンタイヤでも「ドライ・ウェット重視」「雪上重視」「凍結路重視」などの性格付けをした上で商品展開していく、というのもありなのではないでしょうか?
でも・・・かなり難しそうですね(笑)。私がまだクルマに乗れるくらい元気なうちに実現してほしいです(笑)。
そこではたと気がつきました。ランフラットタイヤが出た当初、それはそれはひどい乗り心地でしたが、クルマメーカー側の努力もあるものの、今では非常にランフラットタイヤは進化して通常タイヤと同等の乗心地を確保しています。この進化の速さを考えると、どんな路面でもOKな4シーズンタイヤが出てくるのは、意外と早い時期かもしれませんね。
そしてその時、BMWは、ランフラットタイヤの時と同じく、いち早く4シーズンタイヤを標準装備化するような気がします。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。