40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

次世代X3にMモデル設定!

BMW NO IMAGE

昨日の記事でBMWではMが売れまくっていることをご紹介しましたが、またも興味深いニュースが飛び込んで来ました!

その名も「X3 M」

現在開発中のX3次期モデルにMモデルが設定されるようです。以下、記事の引用です。

clicccar 5月11日(水)16時33分配信

BMWのクロスオーバーSUV『X3』の次世代型に、ハイパフォーマンスモデル「X3 M」が投入されそうです。

BMWのクロスオーバーで「M」モデルが存在するのは、兄貴分の「X5」と「X6」のみ。「X3」としては第3世代で初の「M」モデルが誕生すると、3車種目の「M」モデルとなます。

「X3 M」には、新モジュラープラットフォーム「CLAR」を採用し、現行モデルより、マイナス100kg前後の減量を目指します。

エクステリアでは「M」の象徴、クワッドエキゾーストパイプにフロントバンパーの大口エアインテーク、専用の前後バンパーで固めたアグレッシブなデザインとなります。

パワーユニットは「M3セダン」や「M4クーペ」から流用される3リットル直列6気筒ターボエンジンで、最高馬力は480ps程度を発揮。

ワールドプレミアは2018年3月のジュネーブモーターショーが有力視されています。

現行M3/M4のエンジンを流用とはスゴいですね。最高出力480psって、とんだモンスターSUVです。

世界的に流行っているコンパクトSUV市場

ポルシェはマカン、VWはティグアン、アウディはQ3、そしてメルセデスはGLC。ざっと見ただけでも近年になって追加されたコンパクトSUVはこれだけあります。

世界的に流行しているんですね。アメリカでも各メーカーが軒並み販売台数を落とす中、ライトトラック(要するにSUVです)部門は販売台数を伸ばしています。

BMWに至ってはX1とX3をラインナップしていますからね。シボレー・タホやキャデラック・エスカレードといった巨大恐竜系SUVが幅をきかせるアメリカでも、X1の販売台数が伸びているそうです。

まあ、今やベントレーやジャガー、マセラーティといったSUVに無縁なイメージのメーカーですらSUVを作る時代ですからね。単純には比較出来ませんが、さしずめ日本のミニバンブームのようなものでしょうか。

メルセデスAMG GLC 43の対抗馬?!

BMWと言えばやはりメルセデスに対抗しているととらえられがちですが、流石に今回は違うでしょう。

なにしろ、GLC 43はつい先頃ニューヨークショーで発表されたばかり。X3 Mの開発が今キャッチされたという事は、当然ながらGLC 43の発表前からロードマップが書かれていたに違いありません。

確かにそれはそうだと思いますが、他に心当たりがあるとすれば、実際にこの2車の開発を加速させたのはポルシェのマカンターボの存在でしょう。

Mのライバルはポルシェ?!

最近はそうでもないように個人的に感じておりますが、M3などはその動力性能と実用性で、同じく高い動力性能と実用性を併せ持つことに定評があるポルシェ911とよく比較されていました。

これはアウトバーンを一度でも走られたご経験をお持ちの方はわかると思いますが、ドイツでは明確にアウトバーンにおけるヒエラルキーが存在しています。それはスピードに基づいたものです。つまり、アウトバーンでは早さこそが正義。

アウディの現在の顔のデザインなどは、デザイナーが「アウトバーンでルームミラーに移ったときの押し出しの強さ(つまりよけてもらえる)を考えた」と公言しているくらいですから。

AMGやM、アウディのSやRSといったクルマは、ヒエラルキーの頂点に位置するポルシェにアウトバーンで抜かれるのが我慢ならない顧客に向けて仕立てたスペシャルモデルなワケです。

アルピナにXD3がありましたが、あれでBMWのSAVにもハイパワーモデルの需要があることを確認したのでしょうかね?

ドイツ御三家のモデルラインナップは複雑化の一途

それにしても本当にこんなにフルラインで車種を増やしていって大丈夫なのでしょうか?

かつてよりは技術が進歩して、エンジンやプラットフォームの開発がモジュール構造の採用により各車種で共用化されたとはいえ、ちょっと前までC/D/Eセグメントとスポーティクーペしか擁していなかったポートフォリオがこんなに短期間で膨れ上がったことに危うさを感じています。

この危機感の下には、大学時代のマーケティングの講義が今も印象に残っているからなんです。

日本のビールメーカーに関してだったのですが、当時ナンバーワンだったキリンビールに対抗しようとしたアサヒビールが、キリンビールに倣ったフルライン化戦略で失敗しました。そこでスーパードライに絞って製品ラインナップを大幅に整理し、ついにはキリンビールを抜き去ってシェア一位となったという有名なケースです。

ドイツ御三家のどこかもいずれ、大幅にライナップを縮小する日が来るのでしょうか?ちなみにビール会社の場合の教訓は、「後追いで戦略を真似してフルライン化してもコケる」と言うものだったような気が・・・。

それにしても、どうせ車種を増やすのであればX1にディーゼルとPHVを用意してほしいと思うのですが。

まとめ

そもそもスポーツカー専業メーカーだったポルシェがカイエンやマカンといったSUVモデルを開発して成功したのを皮切りに、欧州メーカーにおける車種構成の多様化は時代の流れとなっています。

すべてのメーカーが共倒れになることは有り得ないと思いますが、せめて顧客にはわかりやすくして欲しいものですね。

メルセデスのSUVに関して、GLC/GLE/GLSと呼称を変更したことなどは、こうした対応の好例と考え、私としては歓迎しています。

BMWは…どうなんでしょう?クルマにあまり詳しくない人には3シリーズセダンと4シリーズグランクーペの違いがわかりやすいとも思えないので、せめて名前を分けたのは正解だったんでしょうね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。