40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW承認ランフラットタイヤはピレリが気になる。

まだまだタイヤ交換時期は先ですが、もう次のタイヤは何がいいか、考え出しております。現在は新車装着されていたPOTENZA S001。特に不満はなくいいタイヤなのですが、次期タイヤ候補としてピレリが私の中で急浮上しています。

BMW3シリーズのOEMタイヤ

OEMとはタイヤメーカーが自動車メーカーに直接卸しているタイヤ、すなわち新車装着時タイヤのことをいいます。

F30系のOEMタイヤに何があるのかすべては把握しておりませんが、日本においてはブリジストンとピレリが主流のようです。もちろん、購入した方でタイヤが選べるわけではありません。

もちろん日本仕様のBMWは、3シリーズに限らず、全車ランフラットタイヤが標準装備です。

実はドイツではランフラットタイヤはオプションだったりするんですよ。だからと言って、非ランフラットにするのは私はオススメしません。

非ランフラットとランフラットでは当然バネ下重量や特性が全く違うのでサスペンションのチューニングも違っているはず。ということは日本仕様はすべてランフラットタイヤを履くようにチューニングされているんですよね。ここに非ランフラットタイヤを履くとバランスが悪くなるので、サスペンションキットから導入して変えなければいけなくなります。

あとは、過去記事でもお話しした、旅行先でのパンク経験があるからです。

ランフラットタイヤのススメ

ブリジストンはランフラットタイヤに力を入れているようで、ここ5-10年くらいで目覚ましい進化を遂げました。特にPOTENZA S001は、非ランフラットタイヤとほぼかわらない乗り心地を実現したことを謳っています。

ランフラットタイヤってどこのメーカーが出しているの?

日本のメーカー

日本の有名メーカーは大抵ランフラットタイヤをラインナップしています。

ランフラットタイヤというと、どうも先駆的に全面採用したBMWのイメージが強いのですが、レクサスや日産GTRといった国産車にも装着されていますので、日本のタイヤメーカーも開発にはそれなりに力を入れているようです。

有名なのはブリジストンですが、ほかにもダンロップ、ヨコハマ、トーヨーといったメーカーも出しています。

混乱するのが、各メーカーによって呼び方が違うこと。

ブリジストン RFT(Run-Flat Technology)
ダンロップ DSST (Dunlop Self Support Technolgy)
ヨコハマ ZPS (Zoro Pressure System)
トーヨー TRF (Toyo Run Flat)

えー、なぜ統一してくれなかったのでしょうか?もう各タイヤメーカーのHPから調べて持ってくるだけで大変です(笑)。タイヤショップに行けば「ランフラット」で通じますけど、事前に情報収集する際にこの呼び名の不統一が結構紛らわしくて面倒なんですよね。HPのどこを見ればランフラットタイヤがあるのかわかりません。

当ブログではすべて「ランフラットタイヤ」に統一します。メーカーさんごめんなさい。

それぞれのメーカーのタイヤの性格に特徴があるように、ランフラットタイヤのラインナップもそれぞれです。一番充実しているのはやはりブリジストンですが、ランフラットタイヤが装着されているクルマは基本的にスポーティ系やラグジュアリー系が多いからでしょうか、各メーカーともランフラットタイヤの銘柄はスポーツブランドもしくはプレミアムブランドの高価格帯のものばかりです。だから益々ランフラットタイヤが高くなるのに。

裏を返していうと、各メーカーともコンフォート系およびエコ系ではランフラットタイヤのラインナップがありません。やはりバネ下重量が重くなるランフラットタイヤとは相容れないコンセプトですので納得はできますが、静粛性に定評のあるREGNOブランドなどでもラインナップして欲しいものです。

欧米のメーカー

欧米のメーカーもランフラットタイヤをラインナップしています。

日本メーカと同じくまとめてみましょう。もう、主要メーカーだけで勘弁してください(笑)。

コンチネンタル SSR (Self Spporting Runflat tyre)
ピレリ r-f (Run Flat)
ミシュラン ZP (Zero Pressure)

他にも有名どころではグッドイヤーもラインアップしていますが、省略(笑)。こうしてみると日本メーカーと略し方が似ていますね?

この記事では日本メーカーから書き始めたのでそう思われるのも当然ですが、そもそもランフラットタイヤは欧州系のメーカーで開発が先行していたので、どちらかというと日本メーカーが後追いだと思います。例えばミシュランは、現在普及しているサイドウォールで支えるタイプではなく、ホイールリムの内側に非常に分厚いゴムを巻いて、パンクしたらそこで支えることによってリムが接地するのを防ぐというコンセプトのものも開発していたかと記憶していますが、今は作っていないようです。

私が魅かれるタイヤ

何を重視しているか?

私が一番重視しているのはタイヤとしての総合的なバランスです(笑)。

我ながらズルい答えだと思いますが、正直、グリップ・コンフォート、どちらも譲れません。ですがあえて一番重視するとしたらウェットグリップで、一番優先順位が下がるのはドライグリップです。

通常走っている限りでは、ドライグリップなんて私程度のドライバーの技量では破綻なんかしません。したがってそこまでドライグリップ寄りでなくてもいいと思っています。

でもウェットグリップは違います。雨の日の濡れた路面では、通常の速度域でもいとも簡単にタイヤはグリップを失うんです。

私が特に怖いのは、雨の日の都市高速の継ぎ目です。首都高速だけではなく、全国的に都市高速は高架で作られているので、道路と道路の境目に金属の継ぎ目があります。これがものすごく滑るんですよ。カーブの途中にあった日には、充分に速度を落としてもズリッ!と後輪が外に張り出します。金属部分で滑るのは多分どうしても防げないでしょうが、ウェットグリップの乏しいタイヤだと、そのズリッ!といった慣性でそのままアスファルト路面でも滑ってしまいそうで・・・。DSCがあるから大丈夫なんでしょうけど、DSCだって限界はありますから。

で、この範囲でできるだけコンフォートネスを犠牲にしていないタイヤを選びたいわけです。

コンフォートネスはタイヤのバネが柔らかいだけでは決まらない!

・・・と私は思っています。

昔スバルインプレッサWRXのワゴンに乗っていたとき、OEMで装着されたタイヤ(メーカーとブランドは忘れてしまいました)からミシュランのプライマシーに変えた時、あまりの違いに驚愕しました。

それは「真円度(ユニフォーミティ)」の高さによる効果です。

タイヤって見た目はまん丸ですが細かいところまで見るとそうではありません。所詮機械で作っているものですから、微小なズレはどうしても生じます。この「微小なズレ」が乗り心地に影響を及ぼすのです。

インプレッサでOEMタイヤを履いていたころ、高速道路で一定の速度域になると振動が発生して不快な思いをしていました。しかもその速度域というのが高速道路での常用域である90-100km/h+くらいでしたからたまりません。いくらバランス取りをしてもらったりアライメント調整をしてもらったりしても症状は一向に収まりませんでした。

各クルマ雑誌を読み漁った結果、ある日、ようやくこれはタイヤのユニフォーミティの問題ではないかと気付きました。そこで、タイヤ交換に際して、クルマ雑誌上ではユニフォーミティの高さに定評があったミシュランを選んでみたのです。

交換の結果は歴然でした。その日からインプレッサは別のクルマのように滑らかな乗り心地となり、振動も発生しませんでした。それこそタイヤ交換前が嘘のように。

こうした経験があるので、私はコンフォートはタイヤのバネだけが大事なのではない!と言ったのです。つまり、私がウェットグリップの次に重視しているのはユニフォーミティということになります。

ですが正直タイヤメーカーのHPを見てもユニフォーミティがどうのこうのという記述はあまり見つかりません。いえ、書いてあるにはありますが、どのタイヤがユニフォーミティが高くなっているかとか、セールスポイントにしている記述はほとんどないです。ブリジストンの「オー・ビード」という技術が目に付くくらいですね。

ただ、これは本当に私の独断で思い込みかもしれませんが、ブリジストン以外では欧州系のタイヤがユニフォーミティが高い気がします。これはいい悪いではなく、ターゲットとしている速度域が欧州での常用域になりますので高いんですよね。といってもミシュランとコンチネンタルしか履いたことがないので確証はありませんが。

あれ?それでなんでピレリが気になるの?

最近はタイヤを作る技術も向上しているので、ユニフォーミティも目くじら立てるほどの違いはメーカー間でなくなっている・・・と信じたいですが、やはりターゲットにしている常用速度域が欧州に合わせてあって高いというのはそれだけ日本の低い速度域においては余裕になります。

ですがいいことばかりではありません、ターゲット速度域が高いということはそれだけタイヤ自体の剛性も高める必要があるでしょうから、タイヤ自体は固くなって乗り心地上はマイナス面が生じるでしょう。

しかも、ピレリの特徴としてよく言われるのが、踏面、つまり道路に接地する面が固いというものです。これは乗り心地上はもちろん不利です。

ピレリと言えばF1にタイヤを供給したり、フェラーリのOEMタイヤとして選定されたりととかくスポーティイメージが強いメーカーです。こうしたメーカーとしての特徴が、あまり乗り心地は重視しないタイヤ作りになっているのかと思い、実は今まで敬遠してきました。ちょっと私には縁遠いかな、と。

ところが、時代が変われば変わるものです(大げさですね(;^_^A)。私が注目しているピレリの「Cinturato P7」、私の中のピレリのイメージを変えてくれそうなんです。

ピレリのHPではこのような評価付けとなっています。(実際はグラフで表されています。)

ドライ 4
ウェット 4
スポーツ 3
コンフォート 4.5
寿命 4.5

ちなみにピレリのイメージリーダー、P ZEROですとドライ・ウェット・スポーツが5でコンフォートも3.5。で寿命は・・・項目にすらありません(笑)。ある意味わかりやすいですね。そもそもP ZEROは19インチからになってしまうので、私としては対象外です。いくらコンフォートがちょっとP7よりよくても、インチアップの弊害で相殺されるどころかマイナスでしょう。

それはいいとして、P7とP ZEROを比較して何がいいたいのかというと、P7はこの評点を見る限り、ランフラットタイヤに珍しくプレミアム・コンフォート系のタイヤ、その中でも特にスポーツに振っていないのでコンフォート性能が期待できると思ったんですね。

実は同じようなタイヤでミシュランのPrimacy 3があります。こちらの方が商品紹介で明確にコンフォートとウェットグリップをセールスポイントにしているので私には合いそうですが・・・BMW承認タイヤではないんです。私の320dの純正サイズ、225/50R17にはBMW承認の証の★マークがついていません。その代わりに「MOE」・・・ってなんだこれ?メルセデス承認タイヤですとー?!残念すぎます。

過去記事でお話しした通り、実際にランフラットタイヤでパンクを経験して助かった経験を持っている私は、どうしてもここは気になるんですね。もしかしたら、後で承認されるのかもしれませんが・・・そんな保証はありませんし。

もうひとつ、P7を見て思うのが、タイヤの角が比較的丸められているということです。あくまで比較の問題ですが、BMWはメルセデスのように「高速道路で矢のように直進する」といえるほどの直進安定性はありません。ですが、この角が丸められていることにより、よく言えば鷹揚で直進安定性が高まる、悪く言えば曲がりの鋭さがなくなるという性格をもつと想像できます。これは私のように長距離を走ることのあるドライバーには、疲労の軽減という意味で大きなアドバンテージとなり得ます。

じゃあ買うの?

いや、まだ買いませんよ(笑)。

320dの購入時にディーラーの担当さんに聞いたのですが、最近はPOTENZA S001に加えて、Cinturato P7がOEM装着されていることも多いとのこと。評判も上々だそうです。そのディーラーの店頭でも、M Performanceホイールに組んでディスプレイされているのはピレリP ZEROだったりします。

しかも、決め手は価格。

私も気になりだして初めてネットで価格を調べてみたのですが・・・安いです。いや、語弊がありますね。絶対的には安くありませんが、POTENZA S001と比べると結構安いです。

そうは言っても、320iの時に交換して履いたPOTENZA S001のアフターマーケットのタイヤ、純正タイヤとは別物かと思うくらい静粛性・乗り心地ともよかったんですよね。Primacy 3も昔の経験から信頼できますし。

うーん、悩みは尽きません。が、タイヤ交換まではまだだいぶ時間があるので引き続き情報収集しながら悩んでいきたいと思います。それまでに新開発のタイヤが出ませんかね?

長々とお付き合いいただきありがとうございました。
今回はこの辺で失礼します。