40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWのディーゼルのアイドリングストップの長所と欠点。

BMWの掲げる「Efficient Dynamics」を体現するかのように、今やすべてのBMW車はアイドリングストップ機能付きです。ですが年式や車種によって、タイミングが違ったりしますし、そもそもアイドリングストップが嫌いな方もいるようです。今回の記事はディーゼルのアイドリングストップについてご報告します。

アイドリングストップのタイミングの違い

私が前に乗っていた2012年型の320iでは、停止して完全に速度がゼロになってからアイドリングストップが働いていました。感覚としては、すーーーーっ、ぴたっ、すとんと止まる感じですね。停止してからほんの半拍くらい置いて、停止の際の軽微なノーズダイブが元に戻ってからアイドリングストップ、です。これで通じますかね?

これが現在の2015年型320dでは、すーーーーー(停止寸前)すとん(アイドリングストップ)がくん(急に停止)となってしまいます。つまり、スムーズに停止しようとして停止寸前でブレーキの踏力をちょっと抜いたりすればするほど、完全に停止する寸前でアイドリングストップが働いて、がくんと止まることになってしまうんです。

私だけかもしれないんですが、ここでもう少し早いタイミングでブレーキを抜くようにすると、今度は停止してもアイドリングストップ自体が働きません。なんとも困ったものでまだ私はコツをつかめていないのですが、唯一、スムーズに止まることを放棄してずーっと一定の力でブレーキを踏んでいると、ちょうど停止と同時にアイドリングストップが働きます。このときは、それはもう、間髪入れずといった感じで絶妙なタイミングです。しかも完全停止の際の「がっくん」はなくなるんです。

どういうことかというと、MT車の運転経験がある方はお分かりになると思うのですが、停止の時にクラッチを切って駆動力がかかっていない状態で多少ずぼらなブレーキ操作で停止しても、AT車ほどがっくんとはなりません。

私は、AT車はクリープ現象でもわかるように、常に弱いながらも一定の駆動力がかかっているために停止時の「がっくん」の衝撃が大きくなると思っていますが、MT車にはこの駆動力がないからなんですね。これを考えてみるに、停止とほぼ同時のタイミングでアイドリングストップが働くことで駆動力がなくなり、「がっくん」の衝撃が減っているのではないかと想像しております。

こう考えると、私がF30系に対して仄かに感じていた疑問も解決できるんです。それは、E90で320i以外には装備されていた、ブレーキを自動で停止時に緩めてくれる機能(名前忘れました・・・)がなぜF30系に装備されていないのか、という疑問です。

E90系に装備されていたこの機能は、正に私の今の苦労と同じく、スムーズに停止しようとするとかえってぎくしゃくしてしまうものでした。むしろ小細工をせずに一定のブレーキ踏力で停止すると、それはまあ見事に停止間際のブレーキの抜きを見せてくれたものです。停止時の「がっくん」を劇的に軽減するので、中々よい装備だと思っておりました。

これがF30系に装備されていないのを知って、微かながらなんでだろうと思いましたが、実は私以外には不評だったのかもと思い、あまり気にしていませんでした。現在の320dに乗り換えてから同じような感覚に記憶が呼び覚まされ、そういうことだったのか!このアイドリングストップがあれば、あの機能はいらないのか!と合点がいった次第です。

つまり、このアイドリングストップのタイミングは、停止時のブレーキ抜きを兼ねてあえてこうしているんじゃないかと。

私が確認しているのは自分が乗っている2015年型ではそうなっている、ということだけですが、もし停止時にぎくしゃくしてしまっている方がいたら、一度停止までずっと同じ力でブレーキを踏み続けることをお試しください

他シリーズではどうなのか?

私は点検の時の代車で1シリーズや218iアクティブツアラー、ディーラーでのちょっとした試乗で218dグランツアラーや523dに乗ってみましたが、なんとこれらの車で私のクルマと同じタイミングでアイドリングストップするものがないんです。5シリーズはちょっと遅めで前の320iくらい、2シリーズはその中間で、このタイミングが一番好ましく感じました。ですが時々218iは3気筒が故でしょうか、脈動のようなものが伝わってきました。むしろディーゼルの218dの方がすべてがスムーズに感じたくらいです。

2シリーズは3シリーズよりも世代的に新しいので何か新しいロジックがあるのかもしれませんね。だとしたらそのうちエンジンのプログラムアップデートなどで3シリーズにも移植してほしいものです。

アイドリングストップとディーゼルの相性

アイドリングストップ自体に賛否両論ある中で中々難しいテーマを持ってきてしまったものだと自分でも思います(笑)。ですが、あくまで私個人の意見、ということで述べさせていただきますので、反対の立場の方は怒らないでください。

アイドリングストップ自体がイヤ!

まず、私はディーゼルにしろガソリンにしろ、アイドリングストップをOFFにするのは、BMWが我々に提案してくれた最新のBMWの魅力の何割かを捨てているようなものだと思います。確かにOFFにするスイッチがあるのはそういう方も踏まえてのことなんだと思いますが、駐車場で頻繁な切り返しをするなどの特殊な場合を除いて、私はOFFスイッチには触れません。

確かに、日本車ほどスムーズにエンジンの停止・始動をおこなうわけではありませんが・・・、そんなに気にするほどですか?

BMWは日本では高級車のカテゴリに入るがドイツでは大衆車だ!という主張をよくみかけますが、全然そんなことありません。彼の地でもプレミアムブランドです。そのプレミアムブランドでもまあ、その程度ということでして、もう考え方自体が違うんですよね。要するにクルマというものはそういうものだと。振動もあれば音もある、多少ガタガタしてでも安心して高速移動できるのがいいクルマだと。

私のように都市部に住んでいて、運転している時間の8割くらいが都心部という人間にとっては、アイドリングストップは大きな威力を発揮します。実は私、アイドリングストップが一般的になるだいぶ前から、停止中のアイドリングって気になっていまして、踏み切り待ちや駐車場の入場待ちなどの長い停止では手動でエンジンをOFFにしていました。こんな私ですと、もっと細やかに、しかも自動でエンジンを停止してくれるこの機能は夢の機能なわけです。

ディーゼルにアイドリングストップがつくとどうなる?

とはいえ、ディーゼルとアイドリングストップの組み合わせは、上記を踏まえても功罪あると思っています。もう、簡単に想像がつくでしょうが、「功」の方はディーゼルのアイドリング中の音・振動をなくせること。「罪」の方は再始動時の振動です。

ですが、私には「功」も「罪」も実はそこまで感じておりません。これは私の感覚ではなく、私の320dが2015年型だからです。過去の記事でも述べたことがありますが、2014年型からディーゼルの音・振動対策がされて劇的に変わりました。したがって、私の320dでは、音質は違うものの、前の320iにおける振動・騒音や再始動時の振動を超えるものではありません。

しかも再始動したのがわかるというのはメリットでして、ACC設定時に前の車が出発してエンジンが再始動することが一種のお知らせみたいになっていて、すぐに追随して発進できます。ACC使用中でも停止して3秒以上たつとアイドリングストップして、次に発進するときはアクセルを軽く踏むか、「RES」ボタンを押さないと発進しませんからね。

まとめ

アイドリングストップは私が本当に欲していた機能です。現代のクルマでは装備されているのが当たり前になっており、本当にいい流れだと思います。

この時期、市街地で窓を開けて乗っていると面白いんですよ。信号待ちで止まっていると、休日はトラックの量が少ないので静寂があたりを支配しています。そして信号が青になるとあちこちで「きゅきゅきゅ」とエンジンがかかる音が一斉にするんですよ。なんだか、眠っていた動物が慌てて起きているみたいでほほえましく感じるのは私だけでしょうか?

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
今回はこの辺で失礼します。