40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWの内側のライトは何のため?丸目4灯の謎。

BMW NO IMAGE

BMWといえばキドニーグリルについで丸目4灯が重要なアイコンですよね。現在のBMWも全て丸目4灯ですが、私の愛車のF31に関しては4灯のうち内側のライトが点灯しません。これは一体?!

どういうモデルの内側のライトがつかないの?

丸目4灯は、BMWを特徴付ける上で今や欠かせないデザインアイコンです。

BMWのデザインアイコン

考えてみると、3シリーズに限って言えば、歴代モデルの中でF30系前期型だけが、内側ライトが点灯しないモデルですね。後期型はLEDライトになって、ロービームの時は外側も内側もライトの下半分が点灯しますので、内側ライトを有効に使っています。

また、E90の時には内側ライトはキセノンではなくハロゲンで、ハイビームの時とパッシングライトとして点灯していました。それ以前も同様です。

キセノンライトは、点灯してから本来の明るさ・色温度になるまで若干ですが時間がかかります。このため、瞬間的にパパッと点滅させるようなパッシングライトには向かないということで、このような仕様になっていたはずです。

ところがF30系にモデルチェンジしてからは・・・バイキセノンですから電気的に照射範囲を変えています。したがってロービームの時もハイビームの時も、外側ライトしか点灯していないんですよね。パッシングライトも外側ライトのみ。特にキセノンライトの特性が変わったわけでもないのに、なんででしょうね。

また、E90でどうだったか記憶にないのですが、少なくとも5シリーズでは現行F10系の前期型と先代E60系では内側ライトはコーナリングライトとして点灯していたと思います。今日、暗く成りかけの時に信号待ちしていたら、横道からE60が出てきて内側ライトが点灯していたので、これは間違いないと思います。

F30系ではコーナリングライトはフォグライトがその役割を担っていますので、内側ライトは名実ともに役割がありませんよね。

BMWのアイデンティティのため?

昼間であれば、高速道路で後ろから迫ってくる高速車の車種はミラーでも判別できます。ですが、夜ですと全くわからないですよね。逆光になる上に暗いのでシルエットもわかりません。

実はドイツのアウトバーンのように、車種によって速度差が大きい交通の中では、後ろから高速で迫ってくる車種が何なのかを判別する・・・というか、迫る側がわからせるのは大切なことのようです。

ちょっとうろ覚えで申し訳ないのですが、確かアウディのデザイナーだったと思います。アウディがフロントグリルの形状を変更した際のインタビューで、「アウトバーンでバックミラーに映った時の押し出しがあるようにした」と言っているのを目にしました。つまり、少なくとも昼間はアウディが来た!追い越し車線から退いた方がいい!と思わせるわけですね。

これが日本でも必要なのか?と言われるとビミョーですが・・・。

BMWのF30系前期型ですが、イカリングエンジェルリングが丸目4灯を縁取り、かつ眉毛?もLEDで光らせることで、夜間もアイデンティティを主張するデザインになっております。

実際、私も夜間に街灯のない高速道路、例えば新東名のような真っ暗な道路を運転していると、後方から迫ってくる高速車に関して、BMWだけは判別できます。

内側ライトが点灯していませんから、エンジェルリングがはっきりと見えるんです。特にE60系やE90系などの、エンジェルリングがLEDでない車種は、ライトがキセノンでもエンジェルリングが色違いで際立って見えますので、すぐにわかります。

これらは特にBMWどころか、クルマにあまり詳しくない方でも判別できますよね。

でも最近のLEDライト装備の車種はちょっとわかりにくいです。私はクルマ好きですしBMWはよく知っているので、すぐに「あっ!LEDライトを装備したBMWだ!」とわかりますが、クルマにあまり興味がない、BMWは知っているけど詳しくないといった大多数の方にはちょっとわかりにくいかもしれません。

日本に限って言うと、本国で必要とされる押し出し感に引っ張られてそうなっているというだけで、実用性はなく、上記のように、いついかなる時もBMWのアイデンティティを際立たせる効果しかありません。つまり、内側ライトは完全にダミーです。

じゃあなんで2灯にしないの?

それはまさにBMWのアイデンティティをいついかなる時も際立たせるためです。これは嫌味な自己顕示というものではありません。

国産でも、最近のトヨタ車に共通するV字グリルってあります。レクサスは全車種「スピンドルグリル」と言われる独特の形のグリルをしていますよね。日産も然りです。

つまり、自動車メーカーは各社とも、「顔」にアイデンティティを持たせるべくデザインしているわけです。なんというクルマかわからなくても「顔」を見れば、トヨタだ日産だとわかるようにしているんですね。

このムーブメントが先にドイツ御三家では当たり前のようにあっただけです。いえ、ドイツ御三家だけでなく、フランスのシトロエンかなり前からマークであるダブルシェブロンをかたどったグリルを備えています。

このように、メーカーとしての存在感を際立たせる、もっと言うと走っていて目立つクルマを作って、「あのメーカーのクルマ人気だな」と思わせて顧客を獲得する、というわけですね。

それがBMWではキドニーグリルと丸目4灯だというだけです。

LEDヘッドライトでも2シリーズアクティブ/グランツアラーとX1は別。

LEDヘッドライト装備のBMWが全て下半分点灯かというとそうでもないのがまた判別にややこしいところです。

3/4/5/6/7のLEDヘッドライト点灯車は確かに下半分点灯で、エンジェルリングはありますが眉毛はウィンカーになっています。ですよね。ですが2シリーズアクティブ/グランツアラーとX1はまだ内側非点灯でエンジェルリング+眉毛点灯パターンです。

実は私、贔屓目ではなくて、内側非点灯もしくは内側はハイビーム/パッシングライトとして使うパターンの方が良かったと思います。この方がやっぱり夜に眺めてみてもBMWの特徴が出ていていいと思うんですよね。確かに、内側が完全にダミーとなるとちょっと無駄感が出るので、せめて何らかの使い道は欲しかったですが。

余談ですが、F20前期型1シリーズって、内側はライトではなくてウィンカーなんですよ。丸目4灯ではありますがヘッドライトではないという、最近のBMWのデザインの文法からは逸脱している稀有な例です。後期型ではF30系前期型と同じ点灯パターンでグッとハンサム顔になり、私は好きです。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。