40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

320dならではのタイトな山道での走り方。でも・・・ギア比が。

今日は予め予想されていた通り、東京から各方面に向かう高速道路を激しい渋滞だった様ですね。私は都内を徘徊しただけですが、妙に運転が楽に感じました。それは空いていたからだけではなく、あの寸又峡へのタイトな山道が大変だったというのもあります。

ディーゼルなら山道は得意(登りは、ね)

低回転で太いトルクを発揮するディーゼルターボは、山道も得意としています。特に登りなんてお手の物です。まずパワー不足を感じることなんてありません。

東京周辺でタイトで急な山道が続くといえば箱根ですが、トラックや軽自動車があえぎあえぎ登って行っている箱根新道の急な登りだって、320dであれば3,000rpmも回せばかなりの勢いで楽々登って行きます。

ですが、私がいつも怖いのが下りです。

ディーゼルはその特性上、エンジンブレーキが効きにくいという特徴があります。

というか、初めてBMWに乗った時に感じたのですが、BMWってなんだか余りにエンジンのフリクションがなさすぎて全般的にエンジンブレーキの効きが弱いかもしれません。

ですので、箱根の下りでは2速に入れて、適宜フットブレーキを使いつつ降りてくる、と言った感じになります。

まあ、320dは、というか3シリーズは全車前後共にベンチレーテッドディスクが奢られていますから、そうそうフェードすることはないと思いますし、ベーパーロックしない様に、ブレーキオイルに圧をかけているので大丈夫ではあるのですが、多分に精神的なものですね。下りでの減速は容易ではないですから。

国道362号線

私が静岡市内から千頭エリアにアプローチした際に使ったのが、国道362号線です。

以前の記事でも申し上げた様に、15%の勾配まで登場し、かつすれ違い困難箇所が多い「酷道」ですが、こうした道では少々箱根とは勝手が違いました。

まず、かなり急な坂道ですので、時に1速まで落とさないと登れません。それはいいのですが、1速ってすごくギア比が離れているんですよね。ヘアピンで1速に入れて登ってもすぐ2速に入れないと、轟音を立ててゆっくりと走ることになります(笑)。

ところが、2速に入れると、今度は320dのエンジンの美味しい部分が使えません。大体の山道を登る時や、高速での追い越し加速でも、320dのエンジンで一番トルクを感じて後ろからグッと押し出されるのは3,000rpm近辺からの加速です。最大トルクは1,750rpmから2,750rpmで、最高出力は4,000rpmで発揮するので、スペックと感覚的なものはぴったり一致します。

なのでこの辺りをキープしたいのですが、1速では遅すぎ、2速では早すぎるんです。要するに、ヘアピンが続くタイトなワインディングにはギア比があっていないんですね。

酷道、もとい国道362号線が正にそれ。どうしてもリズムに乗り切れずに歯がゆい思いをしました。というか、苦労しました。ハンドリングは相変わらず荷物満載でも普段と変わらずいいので、余計にギア比のあっていないのが気になるんですよね。

もう少し、全体的にローギアード化してもいいかも。

他にこんなことはなかったかと考えてみましたが・・・ないですね。無印良品津南キャンプ場に行く時も結構なワインディングを越えて行きますが、むしろ気持ちよく走れますし。

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ディーゼルの太い低速トルクを生かし、かつ燃費よく走るために、320dのファイナルギアは340iと同じというギア比の高さになっています。ということは、恐らく340iで国道362号線を走っても、同じ様にギア比が合わなくて苦労するでしょう。

こういう道には、むしろ320iや、回転数に関係なくモーターで走れる330eの方があっているかもしれません。あと、i3とか。充電するところがないのでi3で寸又峡に行く気にはちょっとなれませんが、あの下りなら回生ブレーキを効かせまくるくらいでちょうど良さそうな気がします。充電も出来て一石二鳥ですね。

それはともかく、320dも340iも日本仕様はもう少しローギアード化してもいいのではないでしょうか?最高速が求められる環境ではないですしね。

逆に、EVって環境以外にもこういう場面での可能性を感じました。日本の山道にはEVが結構あってるかもしれません。

理想はATの多段化

そうはいっても、EVのインフラ整備ってすごく大変ですよね。各国でEVへのシフトが見られ、自動車メーカーも力を入れているのはご存知の通りですが、私は10年やそこらで、何処へでもEVで行ける環境などできるものではないと思っています。

マツダが今後も内燃機関の可能性を追い求めて行く、と堂々と発表して話題になりましたね。そうなんです。まだまだ、内燃機関は続くんですよ。

となると、内燃機関向けのトランスミッションも進化し続けなければいけないんです。

今、既にメルセデスが9速ATを搭載していますが、次期型のレクサスLSでは10速のATが搭載されるとも言われています。

じゃあ行き着くところはCVTなのでは?と思われるかもしれませんが、CVTは余りにダイレクト感がなくて、むしろタイトな山道には合いません。

かといって、BMWに、日本仕様だけローギアード化する様にお願いしたくても、コストダウンの観点からは難しいと思います。

となると最善策はさらなる多段化。今は8速ATですが、これを全体的にもう少しクロースレシオにして、9速、必要があれば10速を足す、というものです。こうすれば、あらゆるシーンにマッチするギア比が用意できるのではないでしょうか?

一見、これはコストダウンと矛盾する様ですが、全世界共通仕様として大量調達することでむしろコストを下げることも可能になります。日本仕様だけのギア比を用意するよりよほど安上がりでしょう。

今回は特殊な場面でしたが、ギア比が合わないと私が感じたのは確かです。そして、地方の山間部には同様の道がたくさんあります。ヨーロッパでも、アルプスやピレネーの辺りはそうでしょう。

現在の8ATは非常に出来がいいので、この良さを残しつつ、次期型3シリーズでは9速、或いは10速ATと発展させていって欲しいですね。

だは、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。