40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

ドライビングポジションが大事!

今まで当ブログではACCの使いこなし方や運転のコツなどをご紹介してきましたが、私が考える、運転に一番大切なものは装備品を使いこなすことや上手く運転することではありません。知人と話していて衝撃を受けたのですが、意外と軽く考えられいるのではないか、そもそもどのようにして合わせればいいのかわからない方が多いのではないかと感じたので、改めてドライビングポジションの大切さについて考えてみたいと思います。

そもそもドライビングポジションって何?

まず、クルマに乗り込んで何をしますか?私は先日M3やM6に試乗した時も、ディーラーでチョイ乗りの試乗をするときでも、遠慮なく自分のドライビングポジションに合わせます。

「ドライビングポジション」というとシートの位置合わせだけと思っていらっしゃる方も多いかも知れませんが、そうではありません。

ABC(アクセル、ブレーキ、クラッチ)ペダル、ステアリング、ルームミラー、バックミラーのすべてを自分のポジションに合わせないと、私は絶対に試乗などでも発進しません。

もちろん、すべてのクルマで同じようなポジションが取れるわけではないので許容範囲は広くとっておいた方がいいですが、私が重視している基本的な考え方をご紹介したいと思います。

まずはペダルとシートの位置関係を合わせる。

私は現BMWドライバトレーニングのチーフインストラクター、菰田さんの本で学んだのですが、氏の本で推奨しているポジションはちょっと私には窮屈です。理由は・・・ご想像にお任せします。

さて、調整を要するもののうち、大抵のクルマはペダルが動きません。ですので、この動かないペダルに合わせてシートの前後・上下位置を調整します。

具体的にはまず上下です。頭の上に拳ひとつ分くらいは開けるようにし、できるだけ高い位置にするのが良いでしょう。できるだけ視界を確保するためですね。時々、街中を走っているとダッシュボードに埋もれているかのようなポジションで運転している方がいらっしゃいますが、視界の確保の観点から絶対にやめた方がいいです。また、直前の視界の死角も大きくなりますので、もっと座面はあげましょう。

次に前後調整です。腰はシートに密着し、背中は下から徐々に肩甲骨付近まで圧力が減っていくような感じで背もたれを調整します。その状態で、AT車ならブレーキペダルを目一杯踏み込んだ時に膝が軽く曲がって余裕のある状態にします。大丈夫です、ブレーキペダルはそんなに簡単に壊れませんので思いっきり目一杯踏んでください。マニュアル車ならクラッチを床まで踏み切った時に膝が伸びきらないようにします。

この理由は・・・わかりますよね。パニックブレーキを踏んだ時って、反射的にブレーキを蹴飛ばすように踏みます。この時、

  • 腰の後ろにスペースがある状態だと体がずれて目一杯ブレーキを踏めません。
  • ブレーキを踏んだ時に膝が伸びきってしまうようだと、同じくパニックブレーキを踏めません。
  • クラッチを踏み切った時に膝が伸びきるようだと、クラッチを完全に切らないままシフトする可能性があり、クラッチの寿命を著しく縮めます。

いいことありませんね。特にクラッチは、まあ、お金を払えばなんとかなりますが、パニックブレーキを踏みきれないと、避けられる衝突も避けられなくなり、最悪の場合命に関わります。

従ってまずはシートポジション、これすごく重要です。

BMW3シリーズでは前後の傾き調整もありますが、これはお好みでいいと思います。ただ、ブレーキを踏んだ時に体が前にずれるようでしたら後ろを低め・前を高めにするといいと思います。

次に背もたれの微調整とステアリング位置

まず上の状態までいったらステアリングを握ってみてください。

まあ、大抵の方は握れると思います。この時、腕が伸びきっていたら背もたれを倒しすぎですので起こしましょう。

で、ステアリングの一番上の部分を手のひらでそっと押さえてみてください。もちろん、背中はシートの背もたれから離してはダメですよ。この時に、肘が軽く曲がるようにしましょう。ステアリングの下のレバーを下に下げて、ステアリングを前後に調節します。この時、背もたれとステアリングの位置関係で窮屈、あるいはちょっと操作しづらいということであれば背もたれを微調節します。

ここでステアリングの位置が近すぎるとスムーズなステアリング操作の妨げになりますし、遠すぎるとステアリングを切れません。

モータースポーツのオンボード映像を見ていると、ラリーは結構近め、F1などは結構遠目です。これはそれぞれのクルマとコースの特性に合わせているので、一般道を運転する際には、ラリードライバーよりは気持ち遠目、F1ドライバーよりは近めがいいと思います。

ステアリングの上下位置ですが、BMW3シリーズではステアリングの穴を通してメーターパネルが見える、あの穴が狭いです。なるべく全体が見えるように上下位置を調整しましょう。

あ、ステアリングを握るときは横からガシッと掴むのではなく、正面から手のひらでそっと押さえ込みながら軽く握るといいですよ。こうすると肩の力が抜けて、直進安定性もよくなります。

次はミラー類です。

シートとステアリング位置はこれで決まりました。次はミラーですね。

ルームミラーは至ってシンプル。リアウィンドウがすべてルームミラーから確認できるようにします。とは言いつつ、私はそれより若干左寄りにします。これはもちろん、教習所でも習った、左後ろの広い死角を少しでもカバーするためです・・・が、セダンの場合はCピラー、ツーリングの場合はDピラーが邪魔していてあまり意味はないかもしれません・・・。

それよりもバックミラーです。基本形は、ドアミラーの内側3分の1は車体が映るように、また下半分は道路が映るように、と言われています。何もこだわりがなければこれでいいと思います。

私はこれよりも若干外側に向け、さらにちょっとだけ下向きですね。特に左は車体は5分の1くらいしか映らないくらい外向きにしています。これも左後方の死角をできるだけ少なくするためですね。ちょっと下向きにするのは、片側2車線の道路ですと白線の数で大体の距離感がつかめるからです。

一つご注意ですが、時々車体が全く映らないくらい外側を向けていらっしゃる方がいますが、これは却って隣の車線のクルマとの位置関係がわからなくなって危ないですよ。どのくらい自分の車に接近しているのか、ミラーだけで判断はできませんが、目安にはなりますので、車体が映る程度に内側を向けることをオススメします。

そもそもBMW3シリーズでは、バックミラーの外側は曲率が高くなっていて映る範囲が広いので、そこまで外側を向けなくても十分広い後方視界を確保できますよ。

文章にすると長いですねー。

読むと面倒ですが、実際にやってみると簡単です。大抵30秒から1分もあれば好みのポジションにして出発できます。

特にBMWは車種を問わずどのクルマでも必ずしっくり来るポジションに調整できます。メーターパネルが見にくいのだけは玉に瑕ですが、私がM6に試乗した時も、いつもより少し背もたれを倒し気味にし、ステアリングを手前に引き寄せることでスポーツカーらしく、かつ運転しやすいポジションに調整できました。

私がいいクルマだと判断する基準の重要な一つのファクターが、実はこの「調整幅が大きくて、自分好みのドライビングポジションが取れるか」ということにあります。

実名を出して申し訳ないのですが、この点でアウディには大いに不満です。ブレーキにシートの前後位置を合わせると、フットレストに足が乗りません。逆にフットレストに合わせると、ブレーキが近すぎです。ただでさえアウディのブレーキはオーバーサーボ気味で、ちょっと踏むだけでぎゅっと効き過ぎてしまうので、フットレストをかさ上げしないと私にとっては運転しにくいです。実際にそのようなパーツが多く出回っているようですので、不満い感じる方が多いのでしょうね。いいクルマだとは思いますが。

たまにドライビングポジションの見直しを!

いかがでしたでしょうか?ドライビングポジションのチェックポイントを挙げてきましたが、追求しだすとキリがないのも事実です。従って、たまにご自分のポジションを見直されて微調整すると良いかと思います。

人間って、朝と夕方で身長が違いますよね?私も朝合わせたポジションですと、大抵夕方には「ステアリング位置がちょっと高いかな?」と思うようになります。また、履いている靴によっても違ってきますし、何より高速道路を長距離運転する時と街中を運転するときでもポジションが違います。

私は街中のポジションをシートメモリーの「1」に、高速ポジションを「2」にメモリーさせています。メモリーへのと登録の仕方は、登録したいポジションに合わせた後に、運転席シート座面の右側面についている、表面が凸凹している「M」ボタンを押して、表面がツルツルしている「1」または「2」のボタンの登録したい方を押すと「ディンドン」という音がして登録されますよ。電動で調整するものは全て登録されます。従って3シリーズではシートとバックミラーですね。これが5シリーズなどになると、ステアリングポジションも登録されます。

では、快適なドライビングポジションで安全で疲れないドライブをお楽しみください。

今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。