40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

「『自動運転』は怖くて使えない」という方へ。わかりますよ、その気持ち。

BMW

今日は久しぶりに昔の友人と会って話していたのですが、その友人はいわゆる「自動運転」デバイスが自分の車にはついているにも関わらず、使っていないそうです。その理由が容易に想像できたのですが、言ってみるとやはり当たっていました。

「このクルマ、自動運転みたいなのついているの?」

彼を送って帰る最中に、クルマの中でこう聞かれました。

もちろん、320dツーリングにはついていますよね。ドライバー・アシスト・プラスに含まれる内容とACCです。私がそう答えて、ACCをオンにして見せると、彼が言いました。

「怖くない?」

来ました。実は私、その気持ちよーくわかります。

彼のクルマにはステアリングを修正する機能もついているようです。要するに、車線内を走行するようにステアリングを自動で修正する機能ですね。

彼にとっては、ステアリングがいきなり動くので、怖いのだと言います。

自分の意思通りに動くから怖くない、意思通りに動かない時が怖い。

例えば雪道。

雪道を運転したことはあるでしょうか?雪国の方や、ウィンタースポーツを嗜む方ならともかく、雪の少ない地方に住む方が雪道を運転するのって、怖いですよね。ところで、なんで怖いのでしょうか?

スタッドレスタイヤを履いているにも関わらず、ブレーキを踏んでも思い通りに止まらない、轍でクルマがスリップする・・・色々理由はあるでしょう。

こうした「雪道の恐怖」を一言で言い表すと、「自分が普段運転している感覚ではあり得ないことが起こり、クルマを自分の意思通りに制御できない」ことが原因かと思います。

かく言う私自身、雪道を運転すると非常に怖いです。BMWでは運転したことがありませんが、かつてスバルインプレッサWRXに乗っていた時はスタッドレスタイヤにチェーンを用意してスキーに行ったりしたものでした。スバルの4WDと言えば定評はありますが、過去の記事でもお話ししたことがあります通り、トラクションがいいのが強みなだけであるので発進はいいのですが、カーブを曲がるときや、停止の時はFWD/ RWDの時と同じです。下り坂なんて恐怖以外の何者でもなかったので、後続車がいないことを確認した上でできるだけそろそろと降っていました(笑)。

何が起こるかはわからないのですが、自分が意図していないことが起こるのが怖いんですよね。そして、それに備えるために常に緊張状態を保つので、非常に疲れます。

まあ、雪道に慣れていないドライバーの典型ですね。

私は、人の運転も怖い時があります。

私は、人の運転に乗っても怖くて足を踏ん張ってしまうことがあります。

もちろん誰でもではありませんが、例えば、前方が赤信号で車列が停止している時に、自分だったらここでブレーキを踏むのに、と言うところでブレーキを踏まれないと、運転者に気づかれないように、助手席で足を踏ん張っています(笑)。

一番最近では、当ブログでもご紹介した、レーシングタクシーですね。Toto BMWさんのイベントで、現役レーサーの運転するBMWに同乗させていただいた体験です。この時も、コーナー進入時のブレーキングが、私が思うよりも遥かに遅かったため、最初の1回はものすごく足を踏ん張ってしまいました。ただ、現役レーサーがドライブしていて、かつサーキットでしたのですぐに慣れましたが。

BMW3シリーズツーリングでサーキット同乗走行!現役レーサーはやっぱりすごいです。

もしかしたら自動運転も同じ?!

現状では自動運転ってそこまで信頼性のあるものではありません。現に私もACCの弱点を把握して、それを念頭に置いた上で使用しています。と言っても、前走車を認識しないことにより減速しない時にブレーキを踏む、という単純なことですが。

そして、BMWは時々ドイツ的基準のブレーキングをすることがあります。端的にいうと、ブレーキングが遅い時があります。

この時の私の心情としては、

「自分が運転していたらもうこの辺でアクセルをオフにしてしばらく空走してブレーキングに備えるな。でも減速の気配なし。前走車を認識していれば出るはずのマークも出ていない。じゃあもうブレーキ踏んじゃおう!」

という感じですね。ですので、システムが認識するのを待ってギリギリまでひっぱることはしません。

そう、正にこのように「自分だったらこうするのにそうしない」ことがドライバーに恐怖を抱かせるんでしょうね。人によっては「全然だめ。自動運転なんか使えない!」という烙印をその場で押される方もいるかと思います。

現状ではあくまでドライバーをアシストする以上のものではない。

私が声を大にして言いたいのはこのことです。

一時期、テスラの自動運転中に重大事故が起こりましたが、その時、私には冷静な報道をしているメディアがないように見えました。もちろん、それなりもクルマの専門誌やジャーナリストさん達はこの章のタイトルのようなことを訴えていましたが、一般メディアは、自動運転はだめだ!と言わんばかりの論調で、新興のテスラを叩いているようにしか見えず、思わず嘆息した覚えがあります。

なんども言いますが、BMWはドライバーを主役にしているクルマです。だからドライバーが最後は操作しなければいけない、というのではなく、BMW以外のクルマだってそうなんです。

よく、自動運転で事故を起こした時に責任を取るのはドライバーなのかメーカーなのかというようなタイトルの記事をネット上で見かけますが、私に言わせれば議論の余地もなく、ドライバーの責任なんですよ。

自動運転中だろうと、事故に至る可能性がある状況を予見した段階で積極的に介入して自ら回避行動を取るからこそドライバーが必要なんだと思っています。

もちろん、AIを搭載した自動運転車でなければできないことだってあります。例えば、自動車間コミュニケーションを生かして交差点での出会い頭の衝突を防ぐですとか、通行止の情報をキャッチしたら自動的に最適な迂回路に向かうとか、あるいは渋滞を極少化するように高速道路のサグで速度低下が落ちないようにするとか。

でも、最後に防ぐのは人なんだと思っています。そして、誤解を受けないように申し上げておきますと、「最後に」と言ってもギリギリまでシステムが働くのを待つのではなく、余裕を持って積極的に介入することが必要だと思っています。

ですので、私は実は現段階で装備されている各種「自動運転」デバイスを「自動運転」と呼ぶことに若干抵抗があるんですよ。簡単に言い表すいい言葉が思い浮かばないので使用していますが。

そして私が彼にしたアドバイス。

現在装備されているデバイスは、自動運転なんて呼ぶのもおこがましいものであると思った方がいいよ、でもちゃんと機能と限界を理解してうまく使うと非常に便利なもので、長距離運転の疲労を軽減してくれるからどこまででもクルマで行けるようになる。でも、自分の意思通りに動かないと感じたら自分で運転するようにして、また安定的に走れそうな場所でオンにすればいいよ。

とアドバイスしました。

もちろん、もっと細かく話しましたが、一応彼は「そうかー、オレも使ってみようかなー」と言っていました。

伝わった・・・んだと思います。

まとめ

BMWは4方向にセンサーを設けて完全停止する試作車を作り上げています。そして2021年には「ドライバー不要」なレベルの自動運転を実現するとしていますが、じゃあそのクルマには運転席がないのかというと、そんなわけはないですよね。全自動運転になったからと言って、運転免許が不要になるかと言ったら、内容は変わるかもしれませんが、そんなことはないと思います。

繰り返しになりますが、つまり、「自動運転」はあくまでドライバーたる人の管理下で使用されるべきものだと思うんです。本当に乗るだけの自動車になるとしたら、現状では、東京のお台場を走る「ゆりかもめ」のように集中管理されているような運行方式の場合、もっというと、AIによる自動車間コミュニケーションが発達して、予見と判断を行えるようになった時ではないかと思っています。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。