40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

スタッドレスは4輪全てに装着すべし、という当然のこと。

スタッドレスは必ず4輪とも履きましょう!ってよく冬の度に聞く言葉ですよね。ですが、なんで毎年毎年同じことを繰り返し言うのか、不思議に思いませんか?

それは4輪ともスタッドレスにしないクルマがいるから。

なんとも当たり前な回答ですみません(笑)。なんでわざわざこんなことを話題に持ってきたかと言うと、今日私は残念な光景を見てしまったからです。

なんだか今日はいつになく勤め先の前にタクシーがいっぱい溜まっていました。おそらく2月も近づいて商売的に閑散期に入ってきたのでしょうね。次期サマータイヤの選定過程に始まりスタッドレスを履いてからと言うもの、他のクルマの足元が気になって仕方がない私は、興味深くタクシーが履いているタイヤの銘柄を見て見ました。といっても遠くからですよ。いちいち近寄ってまでは見ません。不審者扱いされてしまいますので。

スタッドレスタイヤとサマータイヤって、横から遠目で見てもすぐ分かりますよね。スタッドレスはなんだか刺々しい感じがしますが、サマータイヤってつるんとして見えます。すると、4輪ともスタッドレスを履いているクルマはなんと10台中3台!そのほかは後輪だけスタッドレスで前輪はサマータイヤだったんです。

後輪スタッドレス、前輪サマータイヤだとどうなるか。

ちょうど分かりやすい動画を発見しましたのでご覧ください。動画は国土交通省が啓蒙のために作成しているものです。

ちょうどFRで試しているのでBMW乗りにはいいですね。

これで見ると、まあ当ブログをご覧の読者様はご存知か、簡単に想像がつくように、FFでは後輪が踏ん張れずにオーバーステアからスピンモードに、FRでは超アンダーステアに陥りました。

そして、「サマータイヤでもチェーンを履けば大丈夫だろう」と言うのも幻想であることがわかりますね。要するに、前後のグリップバランスが崩れるので、駆動輪だけスタッドレスの時と同じことが起きるわけです。

そして下り坂の制動距離を見ると、もう怖くてしょうがないですね。制動距離が2倍くらいに伸びています。これ、下り坂の先に信号があって赤信号だったら確実に交差点に飛び出しているレベルですね。

制動時は前輪に荷重がかかるので、前輪にサマータイヤを履いたFR車は特に危ないですね。これはチェーンでも同じ状況かと思います。もちろん、FFでは止まるかもしれませんが、リアタイヤが不安定ですので、下手をすると前輪を軸にクルッと回ってしまう可能性もありますね。

タクシーのクルマはほとんどFRですよね。

最近ではプリウスやプリウスαなどのタクシーもかなり増えてきていますが、大多数はクラウンコンフォートですよね。と言うことはFRです。

東京都内で雪が降ることは本当に稀です。ですが平成26年豪雪の時の東京都内の阿鼻叫喚っぷりを記憶している私としては、なんでそもそもサマータイヤで雪道を走れると思うのか不思議である上に、プロであるはずのタクシードライバーですら駆動輪にしかスタッドレスを履かないのか理解できません。

プロだから大丈夫だろう、とお思いかもしれませんが、プロでも物理法則には逆らえません。荷重が抜けているとかではなくて物理的にグリップしないんですから、現役F1レーサーでもどうしようもないですよね。たとえフェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンでもサマータイヤで雪道は走れません。彼らだって、レース中に雨が降ったらレインタイヤに変えますでしょ?

私が思うのは、プロだからこそ4輪にスタッドレスタイヤと言う基本中の基本を忠実に守り、一般ドライバーのお手本になるべきだと言うことです。

東京では、雪が降ると、それこそ平成26年豪雪の時もそうでしたが、バスや宅急便のトラックはみんなサマータイヤにチェーンを巻いて走ります。それだと、トラクションは確保できるかもしれませんが、クルマの基本性能の「走る」以外の「曲がる・止まる」にはまだ大いに疑問がありますよね。もっとも、そうならないようにバスやトラックはスピードを落として走っていますが、タクシーって決まったルート以外、雪が深く積もっている住宅街も走ります。東京も結構坂が多いですが、そういうところに来た時にはどうするんでしょう?私ならそういうタクシーには乗りたくありません。

もちろん、コストの問題がかなり大きいことは承知しています。が。

冬場の安全性を売りにするタクシー会社があったっていいのではないでしょうか?東京で雪が降ると、一気に公共交通網が麻痺します。そんな時に頼るのはタクシーしかない、という方も多いでしょう。

それなのに下り坂で止まりきれずにゴツン!なんてやったら、それこそプロとして面目無いじゃないですか。ですので、できれば4輪ともスタッドレスタイヤを履くように徹底してほしいものです。この国土交通省の啓蒙動画も、そうした思いで作られたのでしょう。

ちなみに私は、個人の車でスタッドレスを駆動輪にだけ装着しているクルマって見たことはありません。もしかしたらいるのかもしれませんが、それだったら金属チェーンを持っていた方がよっぽど経済的なような気がしますね。

しかも、最近では激安のアジアンタイヤがあります。値段が頭一つ抜けて高いブリジストンはさておき、他の一般的なタイヤメーカーのスタッドレスの半額以下で買えることもあるようです。しかも、性能もなかなかいいとの評判です。こうしたタイヤを導入すればコストの問題は解決しますよね。また、思い切ってオールシーズンタイヤを導入すると言うのも手です。
[kanren postid=”3237″] オールシーズンタイヤ自体は少し割高ですが、夏冬でタイヤを変えるよりは安く上がるのではないでしょうか?

スタッドレスを履くまでもないし・・・チェーンは装着が面倒だし・・・

そんなあなたに良い手があります。雪が降ったらクルマに乗らないんです。

これは決してふざけて言っているのではありません。当ブログでは、「渋滞が嫌なら渋滞しているところを走らなきゃ良い」と言う考え方ですから、よっぽどのことがない限りは、雪が降っても乗らないようにしましょう。

でも外せない用事があって、どうしてもクルマでなければ行けない!と言うのであれば、スタッドレスやチェーンを買ったと思って、そのお金でタクシーに乗れば良いんです。あ、もちろんちゃんと4輪スタッドレスを履いているタクシーですよ?

個人レベルでは、中々保管場所やコストの問題もあって、特に東京ではそこまでの冬の備えをする人の方が少ないでしょう。現に私も、特にスタッドレスやチェーンを持っていませんでしたが、そう言う時に雪が降っても乗りませんでした。そのような方の方が大多数だと思うんですよね。

だからこそ、公共交通の一翼を担うタクシーにはちゃんと雪への備えというものをして欲しいのです。私は今年はすっかり冬準備をしていますが、東京で雪が降っても乗ろうと思いません。だって、周りがサマータイヤだったら、自分がいくらスタッドレスで走っていても事故に遭うかもしれないじゃないですか?

いかがでしょうか?私もそうでしたが、クルマに冬準備がなくても普通に過ごせてしまう東京では、どうしてもこうした点がおろそかになりがちです。「飲んだら飲むな」は当たり前ですが、「(冬準備をしていない場合)雪なら乗るな」も標語に付け加えて欲しいですね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。