40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

318iに乗って嬉しいサプライズ!「街乗りにぴったり」なんて言葉に騙されるな!

BMW

思い立ったらいてもたってもいられないのは私の悪い癖です。前回記事で予告した318iですが、もう軽く乗っちゃいました(笑)。早速、私の印象をご報告します。

まずは外観から。

改めてご紹介致しますが、今回代車としてお貸し頂いたのは、318i Standard、アルピン・ホワイトIIIです。


明るいうちに撮っておきました。私は特別仕様車の話題の度に「白・黒・シルバーはやめて!」と言っていますが、それでもこうしてみると、アルピン・ホワイトIIIの清冽なカラーにハッとさせられます。

ここで恒例のタイヤチェックです。

サイズは前後とも205/60R16、銘柄はブリジストンのTURANZA ER300 RFTです。まあ、普通のコンフォートタイヤですね。

では、室内を見てみましょうか。

Standardだからといって特に簡素な感じはしませんね。なんだかE90に通じるものがあります。

ステアリングは私のSportよりもリムが細いです。そして、ホーンボタン周りのシルバーの加飾はありません。

でも、センターのエアコン周りはグロスブラック。

恐らくこれがあるので簡素すぎない印象なんでしょうね。

思いもかけない鋭い出足

運転席に乗り込んでエンジンをスタートさせますが、室内は静粛なままです。少なくとも遮音が簡素化されているということはなさそうです。

そしてガレージをソロソロと出てアクセルに軽く足を乗せた時でした。

「あれ?こんなに力強かったっけ?!」

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そうなんです。以前試乗したM Sportの印象と違ったんです。かなり元気な出足で驚きました。ただ、これは後でわかったのですが、非線形のスロットル・・・ではないですね、非線形の開度が原因ではなさそうです。

これで1.5Lとは俄かに信じがたいです。メルセデスのC180といい、最近のダウンサイジングターボは本当によく出来ていますね。街中で流れをリードするなど簡単なことでしょう。

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夜の首都高速へ。

そのまま首都高速を目指します。実はそんなに長く乗るつもりはなかったのですが、あの出足の良さで好奇心に火がついてしまいました。そして、夜でも苦にならないと思ったのは、LEDライトの明るさもあります。

これ、真っ白で眩しいくらい明るいですね。色温度が高過ぎて若干コントラストに欠けるキライはありますが、遠くまで見通せる明るさは抜群ですね。よく、LEDライトは、光が直線的過ぎるので、照らしている所以外が見えにくいと言われますが、個人的にはそんなことは全く感じません。いい感じの光の広がり具合です。

まるで前輪が路面に食い込んでいるかのような回答性。

首都高速って、結構アップダウンが多いです。ダウンはいいのですが、アップの方は非力なエンジンだと速度をキープしにくいのも事実。318iの最高出力は100kw(136ps)、最大トルクは220Nm(22.4kgm)。現代の基準から考えると若干非力に感じるスペックですが、よく考えるとちょっと前のNA2L級のトルクがあるんですよね。

実際、首都高速のアップダウンでのスピードキープに関する私の心配は杞憂に終わりました。ただし320dのキープの仕方とは違います。320dでは大抵、ギアをキープしたままディーゼルならではの大トルクで低回転のまま速度をキープしますが、318iではすかさず自動的にシフトダウンして、エンジンの回転が跳ね上がります。

ですが、この場面でも室内は静粛です。エンジン音が聞こえてくるのは、大体4,500rpm以上からです。これ、ちょうど最高出力の発生回転数(4,400rpm)くらいなんですね。

そして、一般道でも感じていたのですが、首都高速で明らかになりました。

すごく乗り心地がいいです!タイヤのハイトが高いせいなのか、首都高速の継ぎ目も優しくいなします。静粛性の高さと相まって、かなり快適性が高いです。

リムの細いステアリングは少し大径に感じられ、快適性の高さから、何だか自分が優雅なリムジンでも運転しているような錯覚に陥りました。

コーナーに差し掛かるまでは、ですが。

318i Standardのような乗り心地の良いクルマでコーナーをスムーズに抜けるには、まずはキチンと前輪に荷重をかけなければいけませんよね。

そう思って、基本に忠実に、ブレーキングを若干残しつつステアリングを切り込んだ時でした。

ギュイン。

決して素早くステアリングを切ったわけではありません。なのに、前輪が路面に食い込んでいるかのような回答性。

鼻先が軽いなんてものではありません。M Sportに試乗した時は気付きませんでしたが、これ、スゴく楽しいです。この後、調子に乗ってギュインギュイン楽しんでしまいましたが、逆に考えると、ディーゼルエンジンってやっぱり重いんだな、ということですよね。

ただ、この場合は318iの回答性の鋭さが群を抜いているのであって、ディーゼルの回答性が鈍いということではありません。

やっぱり318iはStandardでいいかも!

もちろん、デザインラインでもM Sportでも318iならではの楽しみは味わえるとおもいますが、快適性と回答性の鋭さを両立しているこのStandardが楽しくてしょうがありません。

リムが細いステアリングを駆使し、エンジンを高回転に貼り付けるべく、シフトレバーを左に倒してスポーツモードにするとかなり爽快なドライブフィールを味わえます。

ただ、一つだけ難点を挙げるとすれば、やはりエンジン音ですかね。

外で、しかも後ろから聞く分には野太い排気音にチューニングされているのですが、回した時の音は・・・やっぱり軽自動車の音を連想させます。あんなに割れそうな音ではなく、もっと柔らかい音ですが。野太い排気音の方は窓を閉めている限り室内には全く侵入して来ないので尚更です。なんというか、線の細さを感じる様な気がします。

排気音の方をもっと室内に透過させればいいのに・・・あるいは、i8のようにスピーカーで排気音を増幅して室内に流せばいいんですけどね。でも、そんなことをしたら318iのもう一つの良さ、「購入しやすさ」が損なわれてしまいますね。

燃費を気にしない走りでしたが、可能性を感じる燃費でした。

あんなにエンジンを回しまくったのに、40分ほどのドライブでは10L/100km(10km/L)でした。

意外と落ち込みが少なくて驚きましたね。大人しく走れば街中でも12km/Lくらいは軽いのではないでしょうか?

318iと320dでは値段が違いすぎますので比較する方もいないとおもいますが、そうは言っても318iはハイオクなのが不利ではあります。正確な燃費は測っていないのでなんともいえませんが、320dで車両価格の元を取ろうと思ったら相当の距離を走らなければいけないことでしょう。カタログ燃費で比較すると、

318i:17.2km/L
320d:21.4km/L

そして、記事を書いている日現在の燃料の全国平均価格は

ハイオク:138.5円/L
軽油:105.6円/L

ここから、1kmあたりのコストを計算すると、

318i:8.1円
320d:4.9円

その差は3.2円/kmです。ここで、318iと320dの価格差は、同一グレードで比較すると、

318i:4,460,000円
320d:5,320,000円

本当なら装備も揃えて比較すべきなのでしょうがここではご勘弁頂きまして、ざっと計算する事にさせて頂きます。価格差が86万円ですので、320dを購入して燃料代で元を取ろうと思ったら・・・なんと268,750km!も走らなければいけないことになります。

しかも、自動車税の金額も318iは320dに比べて年間5,000円安いです。ここはもう少し安くてもいいのではないかと思いますけどね。

つまり、318iはトータルで一番お得な3シリーズの最右翼ということです。

安全装備も万全でお買い得

318iが追加されたのはLCI後ですので、BMW自慢のドライバー支援システムはほぼフル装備です。

レーン・チェンジ・ウォーニングも付いています。

これ、ちゃんと死角にクルマがいる時には見易くオレンジに光っているので非常にいいですね。ドライビングに集中できます。

スイッチもあるんですね。一番左側のがそうです。

私の320dツーリングはLCI直前なので、レーン・ディパーチャー・ウォーニングと、衝突回避・被害軽減ブレーキの二つしかスイッチがありません。

これで446万円はかなりお買い得、戦略的な価格と言えますね。まあ、絶対的には高いですが。

ただ、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)が付いていません。普通のクルーズ・コントロールはついていますが、ここだけが惜しまれる所ですね。

2017/6/13追記: 読者様からのご指摘で、ACCは318iにはオプションでも用意されていない事が判明しましたので、当初文面より修正しております。

「素」の3シリーズはよかった!

いやー、318i Standard、期待に違わぬ楽しさでした。

クラシカルな3シリーズの良さが正常進化しているのがよくわかるクルマですね。実はこれ、普段320dツーリングに乗っているとそこまで感じないんです。ディーゼルだからというのもありますが、装飾を廃した素顔を見ることで、3シリーズの「成長」を感じました。

これはいいです。これで山道なんて走ったら相当楽しいですよ、きっと。しかも、私が感じたように、まるで自分の運転スキルが上がったかのように感じるであろうこと請け合いです。

もちろん、その快適性を生かして都市間高速での長距離移動だって、日本の速度域であれば簡単にこなせるでしょう。

「街乗りにぴったり」というのは、郊外のワインディングロードでも速度制限が100km/hだったり、アウトバーンでの標準速度が130km/hであるドイツでの話です。まっすぐな高速道路ですら100km/h制限のわが国では、必要にして十分ですね。

最低グレードだとか、直列3気筒だとか、その様な理由で乗らないでいると勿体無いです。むしろまず318iに試乗して、ご希望の3シリーズに試乗すると、ご希望の車種がどの様な性格を持つのか、よくわかるかもしれません。

長くなりましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。